ハワイの英雄 vol. 2

おとといの続き・・・ コルトはハワイで新しい人生を始めることを決意し、まずハワイという土地に溶け込もうとした。 ハワイは白人へ対する人種差別がある。カリフォルニア出身で典型的な白人のコルトが受け入れられることは容易ではない。 しかもコルトのポジションはチームの指令塔であるクォーターバック。フットボールはクォーターバックの能力次第で、試合の勝敗が大きく決まる。 白人ということだけではなく、途中からの編入生でありながら、リーダーとしてチームを引っ張っていかなければいけない。 そんななか、チームのディフェンス(ブロックする人)にサモア人が多いことに気付いたコルトは、まずサモア語の授業を取り始めた。 語学の授業は通常よりも単位数が多く大変なのにもかかわらず、約2年間学び続けた。2年目にはサモア語で作戦を指示していたという。 チームのレシーバー(走る人)は全員ブラックで、ドレッドヘアが特徴。絆を深めるために、コルトを髪を伸ばし始め、そしてドレッドを結った。 インタビューの際にはチームメイトのプレイに熱くコメントし、ビデオミーティングの時には全員にピザを買い与えた。 ハワイはこの彼の意思を認め、チームメイトも彼を中心に動くようになった。彼はより一層ハワイを愛するようになったという。 その彼の行動はフットボール以外にも現われ、ある日定期的に通う保護監察所に、袋いっぱいに服を入れ寄付として差し出した。この成長ぶりに保護監察官も心を動かされたらという。 そしてハワイ島出身の電気も水道もないところで育った女の子と出会い恋に落ち、ハワイの文化、大自然を一層学んでいった。 結果、初年度にほぼ勝つことのなかった弱小チームを11勝3敗するようにまで押し上げ、しかも彼のパスの正確度はカレッジフットボールの数々の記録を塗り替えた。 私のクラスメートにジェイソンというフットボール選手がいた。大学でフットボールをプレイし続けるためには、ある程度の成績をとらなければいけない。なので勉強を教えて欲しいと頼まれた。 一緒に勉強しているとき、こんな話を聞いたことがある。 彼は昔からフットボールをプレイし続け、途中で燃え尽き2年間もプレイをせず・・・でも一緒にプレイをしたいう相手と巡り合え、またフットボールに復帰したって言ってた。それがコルトだって、後々知った。 チームメイトと本当に仲が良く、いろんな話をしてくれ、チームスポーツっていいなぁってよくうらやましがってたのが懐かしい。 でも優秀になれば、スカウトは来る。たった1年でこれだけの成績をあげ、NFLから25億円のオファーが来てしまう・・・ つづく・・・